OPSkins(WAX)の使い方【デジタルアセットから電化製品まで、様々なNFTの取引所】

OPSkinsはゲームスキンの売買で有名なサイトです。 現在は自社で発行した仮想通貨「WAX」によるNFT(ノンファンジブルトークン) の売買を行っています。OPSkinsを詳しく知るには、色々と経緯を知る必要があり、ちょっと前置きが長くなりますが、お付き合い下さい。

2020.2.5追記

現在OPSKINSはブロックチェーンWAXのサービスに統合され、ここで紹介したサイトは無くなっています。新たなサイトとなり、今後もデジタルアイテムの取引所としてやっていくようですが、非常にマイナーかつ使いづらいため、いずれ機会があればご紹介します。

なお、steamのスキン売買をしたい方は、bitskinsを利用しましょう。

OPSkinsについて

OPSkinsはゲームスキン売買を手掛ける有名なサイトになります。

ゲームスキンとはキャラやアイテムの見た目を変えられるアイテムのことで、CS:GOというFPSゲームでは銃やナイフのスキンを変えることにより、見た目を格好良く、自分の好みに合わせてカスタマイズすることができます。

このゲームスキンですが、steam上で取引をすることができます。中には数十万円もするレアなものがあり、現在でも活発に取引されています。

steam上では売ったスキンを実際のお金として引き出すことができませんが、OPSkinsはsteamの取引用botを作り、ゲームスキンをリアルマネーで取引できるサイトを2015年から運営していました。

ゲームスキンとCS:GO

少しゲームスキンとCS:GOのこれまでを振り返ってみましょう。

CS(カウンターストライク)は1999年に作られたもので、CS、CS:S、CS:GOとタイトルを変え、競技性の高いFPSとして長い間遊ばれてきました。しかし基本システムが変わらないことや、数多の目新しいゲームがあるためか、プレイヤー数は少しずつですが減少傾向にありました。ですが2013年、CS:GOにスキンシステムが登場したことにより、CS:GOコミュニティはこれまでにない急速な成長を遂げます。

2013年ごろの同時接続数は3万人程度でしたが、2016年のピーク時には80万人を超え、3年で20倍以上の成長を遂げました。

これほどの成長の理由は「スキンで見た目を変えるのが面白い」というだけではありません。「スキンをsteam内で売買することができ、希少性のあるものは高値で取引される = スキンを売買すればお金が稼げる」このことがプレイヤーへの強いインセンティブとなったのです。

スキン取引はsteam内に留まらず、OPSkinsのようなbotを介したスキン取引所が次々に作られ、CS:GOのスキン市場は急速に拡大していきます。

スキン賭博

CS:GOとスキン取引の成長の影で、新たなマーケットが生まれました。それがスキン賭博です。

高値で取引されるスキンが出てきたことや、eスポーツとしてCS:GOが盛り上がりを見せたことにより、試合にスキンを賭けるサイトが現れ始めたのです。

価値のあるスキンはお金のように扱われ始め、すぐに賭けの種類も多様化していきます。

OPSkinsは、こうしたスキン賭博の換金に使われる入口、出口として密接に関わってきました。

Jackpot形式の賭け:賭けた金額の分だけ当選確率が上がり、当たった人間が総取りとなる。この画像は現在のVGOによるもの。

2016年には50億ドル分ものスキンが賭けに使用されたとされ、あまりにもスキン賭博が流行したため、詐欺、試合での八百長、そして未成年の賭博参加といった問題が次々に噴出します。

アメリカではいくつかの訴訟が発生しており、steamの運営会社であるvalveは、2018年にスキン取引において取引後のスキンが7日間ホールドされる制限をかけました。このことによりスキンの流動性が下がり、賭博に使いづらい仕様となりました。

OPSkinsとsteam

拡大したスキン賭博により利益を得ていたであろうOPSkinですが、2018年6月、steamのスキンが7日間ホールドされる制限を回避するような仕組みとなるExpress tradeをリリースします。

当たり前ですが、steamの運営であるvalveはこれに怒ります。

OPSkinsのトレード用botのsteamアカウントをBANし、この時のBANで失われたスキンは2億円分にのぼりました…。

VGO

トレード用botのBANに対しOPSkinsは…「VGO」という、CS:GOでは使用できない仮想スキンとでも言うべき、よくわからないものをリリースします。

VGOは実際のCS:GOのゲームスキンと関係がないため、steamを通さず、自由にトレードができます。…ですがもちろん、CS:GOで使うことはできません!グラフィックだけが流用されています。

実際にOPSkinsに行ってみると、まるでCS:GOの普通のスキンのようにVGOのスキンが販売されています。

ですが気になるのは、スキン価値の根本となる「CS:GOでの使用」を失った仮想スキンに「はたして価値はあるのか?」というところです。

一応、VGOのスキンは他のゲームでも使用できるということがうたわれています。実際に「Forge Arena」というゲームではVGOのスキンが使用でき、今後もそのようなタイトルが増えていく可能性があります。(Forge Arenaは過疎すぎて1回もマッチングしないのでプレイしたことはありませんが…)

そういった取り組みがどこまで影響しているかはわかりませんが、割と普通にVGOのガチャは利用されているようです。下のリンクはVGOの箱を開ける(ガチャ)の1サイトになりますが、少し見ているだけでもポコポコと誰かがガチャを回しているのがわかります。このようなサイトは既にいくつも存在します。

https://skin.fans

VGOはブロックチェーン技術を用いており、オープンソースにより比較的簡単にガチャサイトが作れるといった拡張性、取引の早さ、安全性など、それ自体はかなり優れたものとなっています。

また、かつてのゲームスキン賭博と同じように、これらのVGOで作られたスキンは簡単に賭博で使用することができます。

WAX

少し話が前後しますが、OPSkinsは2017年に仮想通貨「WAX」のICOにより960万ドルもの資金を得ました。

WAXはブロックチェーンによるデジタルアセット取引所の構築を目指しており、要するにこれはOPSkinsの基盤をブロックチェーン化するという取り組みです。すでにOPSkins内では仮想通貨WAXによる取引が可能であり、WAXによる様々なNFTが出てきています。

ちょっとVGOの話に戻りますが、OPSkinsが本当に目指していたVGOとは、仮想通貨WAXを用い、CS:GOのゲームスキンをブロックチェーンと紐づけ、自由で安全かつ素早く売買できる低コストな取引所を作りたかったのであろうと思います。(もちろん幅広いギャンブルでの利用も可能な)

そのため、steamのスキンが7日間ホールドされる制限を回避するような仕組みとなる「Express trade」をリリースし、ブロックチェーンを用いた「VGO」を作ったのでしょう。

ですがsteamによる規制を受け、ゲームでは実際には使えない仮想スキン「VGO」が生まれたのだと思われます。

ゲームで使えるという根本的な価値を失っているとはいえ、もともと多くの人がゲームでの使用よりもギャンブルのためにOPSkinsを利用していたせいか、この仮想スキンは意外と受け入れているようです。

OPSkinsはWAXによるトランザクション(取引)数をグラフにして示しています。

これを見ると2018年12月では1日で500万トランザクション、額にして2億5千万円ほどの取引がされているようです。(本当かよ…)

https://explorer.wax.io/

この真偽はちょっと確かめようがないので結論を置いておくにしても、ブロックチェーンゲームのメディアである「Blockchain gamer.biz」や「Dgaming Industry」でもWAXの取引量の多さについて言及しています。

参考:https://www.blockchaingamer.biz/news/4090/opskins-claims-early-success-for-vgo/

参考:https://dgaming.com/vgo-is-officially-the-most-popular-dapp-in-the-world/

また、最近DappRadarの上位に載ってこないのは、WAXがEOSを基にした独自のブロックチェーンで動いているためで、「Block’tivity」によると、確かにWAXはEOSに次ぐトランザクション数となっています。(サイト内のアイテム移動などもトランザクションにカウントしてそうですが…)

https://blocktivity.info/

あまり日本では言及されていませんが、VGOはまあまあ取引規模が大きく、ユーザーの多いDAppsの1つであると言えるようです。

また、OPSkinsは実在する商品とブロックチェーンを紐づけたvIRLというNFTを2018年12月に出しました。簡単に言えば、靴や電化製品のガチャで、これも取引が容易で、賭けに使用することができます。このNFTは仮想のものでなく、商品を実際に自分の家へ送れます。(送料が滅茶苦茶高いという話ですが…)

現在のOPSkins

というわけで、長い話になってしまいましたが、現在のOPSkinは結局どうなっているの?というところをまとめます。

  • デジタルアセットの取引所であるが、現在はsteamのゲームで使えるスキンの取引はない。(少し前まではCS:GOのスキンやPUBGのスキン売買を行っていましたが、現在は取り扱いがありません。)
  • VGOやvIRLといった、ブロックチェーンによる様々な商品のガチャ(ルートボックス)を開発し、その普及と売買を手掛けている。
  • VGOやvIRLはギャンブルサイトですぐ使用できるなど、過去のスキン賭博と同様にギャンブルとの繋がりは依然強い。正直VGOやvIRLはOPSkinsが価値を保証するカジノのチップといっても過言ではない。
  • クリプトキティーズなどのブロックチェーンゲームのアセット取引も今後拡大予定。

このような感じになります。vIRLは既に様々なもの(電化製品、靴、ゲームなど)をトークン化しており、ここまでの規模で取引を行っているのは、世界でもOPSkinsだけではないかと思うのですが、ギャンブル色が濃いためか、一般化していくのか微妙です。

OPSKINの登録

それでは実際にOPSkinに登録をしてみましょう。

右上にある「Sign in/Register」を押し、ログイン画面を開きます。

さらに右側にある「Create an OPSkins Account」をクリックしましょう。

ユーザーネーム、パスワード、パスワードの再入力、メールアドレスを入力し、規約を理解したこと、18歳以上であることのチェックボックスにチェックを入れ、「Register with OPSkins」をクリックします。

登録メールアドレスに確認用メールが届きますので「Activate your Account」を押します。

アカウント登録は以上で終了となります。

2段階認証の設定

右上に表示されている自分のアカウント名をクリックするとメニューが表示されるので「Account」をクリックします。

するとアカウントの詳細情報が開きます。まずは赤い線で囲ってある2段階認証の登録を始めましょう。

赤い囲みの部分をクリックすると登録してあるメールアドレス宛に確認コードが送付されるので、送られてきたコードを入力します。

次に2段階認証のQRコードが表示されるので、「Google Authenticator」などの2段階認証アプリを使い、QRコードを読み取って表示される数字を入力します。※端末の破損、紛失の場合を考え、複数の端末で読み込んでおくと復旧に便利です。バーコードが読み取れない場合はコードを手打ちしましょう。

最後に、端末が壊れたときの2段階認証解除コードが表示されるので、無くさないように管理しておきましょう。

これで2段階認証が有効になります。なお、さらに端末を失ったときのための電話番号によるSMS認証の設定を行うこともできるので、登録しておくと良いかもしれません。「Account Setting」の「Advanced Option」から入力できます。

個人情報の設定

アカウント詳細画面で赤く囲った部分から個人情報を設定していきます。

「Basic Information」「Billing Information」では氏名、住所を入力します。これを入力しないと、商品の購入ができないようです。

次の「Whitelisting Information」ですが、これはいわゆるKYCになります。仮想通貨の取り扱い業者は、マネーロンダリングや反社会勢力との取引を防ぐためKYC(顧客情報確認)をする必要があり、OPSkinでも仮想通貨を取り扱うためには公的機関により発行された文書が必要となります。

…これがめんどくさいです。公的機関発行の文書と自分のサインを持って自撮りした写真を送付。と、やってられるかといった感じなので、今回はパスします。

ただし、これをやらない場合、入金、出金方法に制限がかかります。

やらない場合の出金方法はSkrill、bitcoin、ethereumが選べるようですが、Skrillは日本不可、bitcoinは1000ドルから、ethereumも250ドルから出金が可能と、なかなか詰んでいます。

Whitelistingを行うことで、bitcoinの出金が5ドルからできるようになります。

OPskinsをやってみる

さて、出金制限の高いハードルを見ないようにしつつ、回収不可能上等でとりあえずやってみることにしました。OPSkins自体は取引サイトなので、単なる売買の場です。ですがOPSkinsに入金することで、連動するガチャサイトでガチャを回すことができるようになります。

入金方法

メニューの「add funds」か、ウインドウ右上の所持金を押すと入金画面に行くことができます。

色々な支払い方法が提示されているように見えますが、Skirillは日本不可、bitcoinは100ドル以上から、と使えません。それならPaypalを…と選んでみても、「ギフトカード買って」のウインドウが出てきます。

じゃあギフトカードを…と見てみましたが

え!?25ドル分なのに3065円もするじゃねーか!

というわけでG2A PAYを選択……しかし、私のクレジットカードでは不正防止策により処理できず…。

結局Kinguinでギフトカード購入しました。手数料込み3,096円。すでに負けた気がします。

さて、ギフトカードの購入が終わりました。

ちなみにギフトカードの場合、OPSkinに入金をするには、左上の「Shop」タブにある「Redeem Item Gift Code」を押し、まずギフトカードのコード入力を行います。

するとhttps://trade.opskins.com/に「OPskins Shopping Spree Card」のカテゴリーでギフトカードのアイテムが追加されます。さらに「inventry」タブを開くと、アイテム表示とともに、「Withdraw all items to OPSkins」と書いてあるボタンがあり、ここからOPSkinのメインサイトへとアイテムを送ることができます。

すごくめんどくさいですね。ブロックチェーン処理のためか、商品の出入りを行う「express trade」のサイトとメインサイトが分かれている構造になっています。

そしてメインサイトのインベントリに入ったギフトカードを「instant-sell」で売ります。

こうして、やっとこさOPSkinに入金が済みました…。

いざガチャる!

では、ガチャりましょう。ガチャはOPSkinsでやるのではなく、他のサイトで行います。

ガチャサイトのコードはオープンソースであり、日本でもガチャサイトを作ることができます。ただし法律的に限りなくアウトに近いでしょうが…。

下のサイトでVGO、vIRLに関わるガチャサイト、ギャンブルサイトがまとめられています。お好きなのをどうぞ。

https://vgosites.gg/

とりあえずCase opening(箱明け)のタブで一番上に表示されている「SKINFANS」というところに行きます。

ウインドウ右上の「LOGIN VIA OPSKINS」からログインを行うと、使用できるKEYの数が表示されます。KEYは1つ2.5ドルであり、今回は25ドル入金したため、10となっています。

ボックスを開けるために必要な鍵の数はそれぞれボックスの種類によって異なります。

それでは、GAMER boxを2回、MIX boxを1回、回してみます。

GAMER BOX1回目……

何かいきなり良いの来た!ブランドもののコントローラーですね。

GAMER BOX2回目……

謎のゲーム。1.56ドル。F-ZEROみたいなゲームのようです。

次はMIX box……

Xboxのアサクリユニティ。2.98ドル。

25ドル入金(色々込みだと3096円)で、額面では40.49ドルと、とりあえず元がとれた結果となりました。まあ、本当にたまたまでしょうけども。

これらの商品は自動的にOPSkinsのExpress tradeのページに送られます。

Express tradeでは、Inventoryから「Withdraw all items to OPSkins」を選ぶことでOPSkinsへ送ることができます。

OPSkinsに送られたアイテムは「instant-sell」ですぐに売る事ができるため、お金を増やしたい人は当たった物を売って手に入れたお金で再びガチャを回す…と、そんな感じです。

また、これらのNFTを使ったギャンブルをすることもできます。

さらに、OPSkinsのInventoryからredeemを選ぶと、実際に商品を自宅へ届ける事ができます。(送料がバカ高いとのことで利用しないで良いと思いますが…)

まとめ

OPSkinsはCS:GOプレイヤーにとっては結構メジャーなサイトであったようで、ゲームスキンを扱っていた当時と同様に、今もなおギャンブルサイトと深く結びついています。

現在は仮想通貨WAXのICOを成功させ、VGOやvIRLをローンチし、様々なブロックチェーンゲームと提携するなど、その活動をブロックチェーン側へとシフトさせています。

今後は様々なブロックチェーンゲームのアセットを取り扱うようになると思われ、NFTの取引所としてだけでなく、ギャンブル市場とNFTの橋渡しを担うことでしょう。

今のところ、自由な出金のためにKYCが必要であることがネックですかね…

日本のブロックチェーン業界にとっては少し間を取るべき存在かもしれません。日本はギャンブルに厳しいので…。